0

服のチカラで世界をがお-リサイクルでなんみんえん

かぶしき会社ファーストリテイリング(ユニクロ・ジーユー)

12.つくる責任 つかう責任

毎日学校に着ていく服、部活やスポーツクラブのユニフォーム、寒さをしのぐコートなど、わたしたちは毎日いろいろな服を着てらしています。そして、お気に入りの服はわたしたちに元気をあたえてくれます。
しかし、着られなくなった服、らなくなった服はどうしているでしょうか。

「ユニクロ」「ジーユー」などのブランドを世界中でてんかいするファーストリテイリングは、良い服をつくり、より良い社会をつくることに取り組んでいます。ファーストリテイリングの中野さんに、服をつくる責任とつかう責任について教えてもらいました。

株式会社ファーストリテイリング サステナビリティ部 ビジネス・社会課題かいけつ連動チーム 中野友華さん

長く使うことができる服づくり

わたしたちは、季節や流行、目的に合わせて毎日服を選び、着て生活をしていますよね。さまざまな服を選んで着こなすことはとても楽しいですが、タンスの中でねむっている服や、てられてしまう服もあります。

服がやぶれたりよごれたりして着られなくなったというだけではなく、サイズが合わなくなってしまった、流行がぎてしまった、新しい服がしくなったなどといった理由で、まだ着られるのにもかかわらずに捨てられてしまう服もあります。(中野さん)

服が着られなくなったり、らなくなったりする理由はさまざまですが、少しでも長く服を大切に使ってもらうために、ファーストリテイリングはどのようなことに取り組んでいるのでしょうか。

ムダなものをつくらないこと、そして売らないこと。「しつがよく、長持ちする」を服づくりのコンセプトにしています。世の中の人たちの生活に必要な服、欲しいと思っている服をしっかりとかいし、完成度の高い商品づくりを目指しています。(中野さん)

「ムダなものはつくらない、売らない」という考えのもと、質の高い服づくりに取り組んでいる。
(写真左:「ユニクロ WOMENパフテックジャケット (2024)」、写真右:「ジーユー ヘビーウェイトスウェットフルジップパーカ(ユニセックス)(2024)」)

かんきょうにも人にもやさしい服づくりを目指して

ファーストリテイリングがつくる服は1年間で十数億まい。 とてもたくさんの服をつくる会社として、ほかにも気を付けていることがあると中野さんは言います。

服にはコットン(綿めん)やウール(羊の毛)などの原材料が必要で、服をつくる工場などでは水や電気などを使います。だからこそ、わたしたちはかぎりあるげんゆうこうに使い、服をつくるていで水や電気をなるべくムダにしないなど、環境のことを考えた服づくりにも取り組んでいます。商品にふくまれる化学ぶっしつさくげんの取り組みもそのいっかんです。

また、リサイクルざいを活用した服の開発、かいしゅうしたダウン商品から取り出したダウンを素材の一部に使用したリサイクルダウンの開発なども行っています。

サンプル修正.jpg

お客様のご不用になったユニクロのダウン商品をかいしゅうし、ダウンとフェザーのリサイクルを進めています。東レと共同で開発した新しいテクノロジーで、こうりつてきに、リサイクルざいを作り出し、せんじょう。新たなダウン商品に生まれ変わらせています。

いちまいの服ができるまでには、原材料を生産する農家で働く人、工場での加工やほうせいをする人など、たくさんの人が関わります。こうした人たちがやりがいを持って、いきいきと働けなければ、良い服をつくることはできません。
そこで、取引先の工場で働く人をたいしょうに、労働時間の管理やちんぎんはらいなどについて、定期的にひょうする仕組みをつくり、労働かんきょうかいぜんに取り組んでいます。また、取引先の工場におけるじんけんと労働かんきょうに関する問題をばやかくにんして、かいけつするために、取引先工場のじゅうぎょういんちょくせつ、ファーストリテイリングに相談できるホットラインをせっしています。
服づくりに関わる人のけんそんちょうし、安心して健康に働けるかんきょうづくりに取り組むことは、良い服に欠かせない最も大切なことの一つです。(中野さん)

工場で働く人が生き生きと働ける環境をつくることが、よい服づくりにもつながります。

ファーストリテイリングでは、質が高く長く使え、資源や環境、働く人のことも考えた「良い服」をつくることに取り組んでいますが、服をつくる会社として、ほかにも取り組んでいることがあります。

着なくなった服で世界を元気に

まだ着られるのにてられてしまう服がある一方で、世界には必要な服が足りない人たちがいます。
ファーストリテイリングでは、ユニクロやジーユーのお店で、着なくなった服をかいしゅうし、なんみんなどの服を必要としている人たちにとどけるほか、資源として有効活用するため、全商品を対象にしたリサイクル活動に取り組んでいます。この活動には、わたしたちも参加することができます。

回収後プロセス.jpg

ユニクロやジーユーのお店で回収した服を、着られるものと着られないものに仕分け、ぞうするものは、季節、サイズなどで分類し、げんのニーズに合わせて届けています。

難民の中には、寒さや暑さから体を守るためのさいていげんの服さえ足りていない人たちや、同じ服をボロボロになるまで着続けている人がいます。こうした人たちにとって、えんぶっとして服が届くのはとてもうれしいことです。

わたしたちは、みなさんがユニクロやジーユーのお店のリサイクルボックスに入れた服を、世界の難民を支援する国連機関、国連難民高等べんかんしょ(UNHCR)や各地のNGOと協力して、難民の人に支援物資として届けています。

何かの理由で不要になった服でも、だれかのためになるようにリサイクル・リユースをして、服の持つ力を最後までさいだいげんかすこと。それも服をつくる会社のせきにんだと思い、この活動に取り組んでいます。(中野さん)

難民の人たちのひょうじょうがぱっと明るくなってうれしそうにしている子どもたちやお母さんたちの姿すがたを見ると、大きなはげみになると中野さんは言います。

2001年にユニクロのフリース商品の回収から始まった取り組みは、2006年にはフリース以外もふくむ全商品を、2010年からはジーユーの商品にも回収はんを広げ、2024年までに81の国といきに5,897万点の服を届けています。

UNIQLOBOX238.png

ユニクロやジーユーのお店にある回収ボックス。要らなくなった服を持ちこむだけでだれもが参加できる。

"届けよう、服のチカラ"プロジェクト

服のリサイクル活動には、小学校、中学校、高校のみなさんだからこそできることがあります。

なんみんのおよそ半数は、18さい未満のみなさんと同じくらいのねんれいの子どもたちで、子ども用の服は特に不足しています。そこで、わたしたちは、日本の学校のみなさんと協力し、学校でかいしゅうした子ども服を難民の子どもたちにとどける「"届けよう、服のチカラ"プロジェクト」を始めました。(中野さん)

"届けよう、服のチカラ"プロジェクト

1.学ぶ・知る

「服のチカラ」についてユニクロやジーユーの社員によるじゅぎょうで学びます。


2.考える・びかける

子どもたちが中心になってオリジナルポスターを作成するなど、服を集める方法を考えて校内やいきに呼びかけます。


3.回収・発送する

手作りの回収ボックスを作成するなど、ふうをして回収した服は子どもたちでこんぽうし、倉庫へ発送します。


4.届ける・ほうこく

集めた服が難民の子どもたちに届けられます。

このプロジェクトは、みなさんが主役となって、身の回りの着なくなった子ども服を集め、それを難民の子どもたちに届けるプロジェクトです。2013年のスタートからこれまで4,315校、のべ47万人の子どもたちが参加しました。みなさんが集めた服は、わたしたちがせきにんを持って届けますので、ぜひ参加してもらいたいですね。(中野さん)

服のチカラを、社会のチカラに

服は、人が生きていくために必要なものであるだけではなく、人を幸せにする、がおにするチカラがあります。だからこそ、わたしたちは、服を着るよろこびや楽しさを一人でも多くの人に伝えたいと思っています。そのために、より良い服をより良い方法でつくり、服を必要としているあらゆる人たちにとどける取り組みに力を入れています。(中野さん)

服を着る、「つかうせきにん」として、わたしたちには何ができるでしょうか。

服を選ぶときには、それが本当に必要なものかどうかをしっかりと考えて、必要な分だけムダなくそろえて、できるだけ長く大切に使ってほしいですね。それでも、身の回りに着られなくなった服があるなら、それを必要としているほかの人にあげたり、リサイクルしたりするなど、ただゴミとしててるのではない方法を考えてほしいと思います。

もちろん、「全商品リサイクル活動」や「"とどけよう、服のチカラ"プロジェクト」などに参加してみることも、みなさんの行動で世界をより良くするためにできることの一つの方法です。

より良い社会をつくるために自分たちに行動できることを考えて、どんどんチャレンジしてみてください。(中野さん)


原稿作成:株式会社 日経BP


  • Twitter
  • Facebook
  • LINE
※ご好評につき、2024年度版のお申し込みの
受付は終了いたしました。
page top