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みんなで取り組むペットボトルの完全じゅんかん

かぶしき会社セブン&アイ・ホールディングス

12.つくる責任 つかう責任

セブン&アイ・ホールディングスは、セブンーイレブンやイトーヨーカドーのお店でかいしゅうしたペットボトルを利用して、資源を循環させる取り組みをしています。その具体的な取り組みについて、セブン&アイ・ホールディングスでさまざまな商品開発をしている石橋せいいちろうさんに教えてもらいました。

株式会社セブン&アイ・ホールディングス じょうしっこう役員 グループ商品せんりゃく本部長 石橋誠一郎さん
(※所属は2019年時点)

ペットボトルからペットボトルへ

セブン-イレブンやイトーヨーカドーなどのお店では、みなさんが使い終わったペットボトルのかいしゅうをしています。この回収したペットボトルで、もっとかんきょうのことを考えた取り組みができないかと思い、「お店にあるかいしゅうで回収したペットボトルだけでつくるペットボトル飲料」『一(はじめ)緑茶 一日一本』を開発しました。
この商品で使われているペットボトルの原料はお店で回収したペットボトルだけ。つまり、お店で回収したペットボトルで新しいペットボトルをつくり、もう一度お店ではんばいしている、世界初の「完全じゅんかんがたペットボトル」なのです。
(石橋さん)

「一(はじめ)緑茶 一日一本」は使い終わったペットボトルからつくったペットボトル飲料。 ※2019年撮影

日本では、今でも、使い終わったペットボトルの約9わりは回収されて、その一部は衣服や食品のトレイなどの原料としてさいようされています。
しかし、この仕組みをもう一度見直して、回収したペットボトルをふたたび新しいペットボトルに生まれ変わらせる、100%のリサイクルがじつげんできれば、げんがムダなく、ずっと循環し続け、ごみが生まれることもありません。

飲み終わったペットボトルが回収されてもう一度お店に。これを繰り返せば、資源がずっと循環し続ける。

「一(はじめ)緑茶一日一本」は、ペットボトルの回収、せいぞう、販売をすべてセブン&アイグループで確認することで、せいひんがどのようにつくられているのか、回収したペットボトルがどのように使われたのか、せきにんをもってお客様に説明できるのも大きなとくちょうです。
コンビニやスーパーなどのお店で、お客様にちょくせつ販売するわたしたちには、その製品がどのようにしてつくられているのか、きちんと説明する責任があると考えています。(石橋さん)

さまざまな協力でじつげん

この完全じゅんかん型ペットボトルの取り組みは、さまざまなパートナーの協力があったから実現できたと石橋さんは言います。

「一(はじめ)緑茶一日一本」では、かいしゅうからせいぞうはんばいまでのこうていてきせつに確認し、「お店で回収したペットボトルを100%リサイクルすること」を実現したいと考えていました。
そのため、回収や製造のていでほかの場所で集めたペットボトルがざらないようにすることにはとても苦労しました。
そこで、いろいろな種類の飲み物をつくっている日本コカ・コーラ様や、回収したペットボトルを再げん化する会社にも協力をお願いして、ほかのペットボトルの材料が混ざらないように工夫しました。(石橋さん)

「一(はじめ)緑茶 一日一本」は、専用の製造ラインで生産されている。【写真ていきょう:日本コカ・コーラかぶしき会社】

このほかにも、ペットボトルかいしゅうせっするお店やそれを回収する業者など、それぞれが協力し合うことで、完全じゅんかんがたペットボトルの取り組みが実現できているのです。(石橋さん)

わたしたちしょうしゃの行動があってこそ

そして何より、完全じゅんかん型のペットボトルは、わたしたち消費者の力なくしてはじつげんできません。使い終わったペットボトルを新たなペットボトルに生まれ変わらせるためには、むペットボトルにも気をつけることがあるからです。

かいしゅう機は、ペットボトルにラベルやキャップがついていたり、よごれていたりすると回収ができません。ごみがついていたり、汚れていたりするペットボトルは、飲み物を入れる材料としてはさいようむずかしいです。ですから、ペットボトルをかいしゅうに持ってきてもらう前に、ラベルやキャップを外して、中をきれいにあらってもらう必要があります。
きれいにしたペットボトルを店頭に持ち込み、回収機に入れる。そういうみなさん一つひとつの行動が、完全循環型ペットボトルをつくり、げんを循環させることにつながっているのです。(石橋さん)

わたしたち一人ひとりの行動が、循環型の社会をつくることにつながっています。

衣料やほうそうようも、お店でかいしゅうしたペットボトルからつくる

セブン&アイ・ホールディングスでは、2024年、全国の4,683のお店で、お客様といっしょに約5億5000万本そうとうのペットボトルを回収しました。これは国内ではんばいされているペットボトルの2%にあたります。
ペットボトルをげんとして使い、じゅんかん型の社会をじつげんすることは、かんきょうにやさしく持続のうな社会の実現につながる大切な取り組みです。

セブンーイレブンやイトーヨーカドーの店頭にあるペットボトルかいしゅう

そして、セブン&アイ・ホールディングスでは、回収したペットボトルで、新しい商品づくりにも取り組んでいます。

たとえば、回収したペットボトルからつくった糸を一部に使った衣服の開発、食べ物などのパッケージや容器などにも、回収したペットボトルが材料に使われています。
みなさんがお店に持ってきてくれたペットボトルを、飲料や衣類、食べ物のパッケージのように身近な商品に生まれ変わらせて、ふたたびみなさんの手元にとどける。そして、そうした商品を手に取ったみなさん自身が、環境の問題やごみの問題について考えるきっかけにしてもらいたいと思っています。(石橋さん)

回収したペットボトルをつかってつくられた食べ物やせんざいの包装パッケージ。 ※2019年撮影

おおぜいの人が毎日利用するコンビニやスーパーが社会のためにできること

コンビニやスーパーなど「お店でものを売る」会社が、自らかんきょうのことを考えた商品をつくり、積極的に店で売るようにしているのは、なぜでしょうか。

セブン&アイグループの日本国内のお店は、1日に2,200万人以上ものお客様が利用しています。
これらの店では、ペットボトルの飲み物をはじめ、さまざまなプラスチックせいひんをたくさん売っています。たくさんのプラスチック製品をはんばいするぎょうの「社会に対するせきにん」として、これからは便べんせいえきだけではなく、環境の問題や持続のうな社会づくりにも取り組んでいかなくてはいけません。
しょうしゃとつながるコンビニやスーパーをうんえいする企業だからこそ、環境にはいりょした商品づくりに積極的に取り組み、ちょくせつお客様にとどけたいと考えているのです。(石橋さん)

SDGsアクションコーナー

ここまでの文章を読んで、以下の問いについて調べたり、考えたりしてみよう。

①わたしたちが消費する商品や製品がどこで作られ、どうやってお店まで運ばれ、わたしたちの元まで届いているか、考えてみよう。
②環境やじんけんに配慮した製品をしめすマークにはどんなものがあるか調べてみよう。

セブンプレミアム_マーク.png

※例えば、セブンプレミアムで使用されるペットボトルの一部には、右のような表記やマークがあります。

③コンビニやスーパーに行って、環境や人にやさしい商品をさがしてみよう。

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参考サイト:キッズサステナブルパーク

▶まめちしきストア
≫コンビニのお弁当で「サプライチェーン」を
 考えてみよう。
≫資源を守る「持続可能な調達」ってなに?

買い物が、未来の社会を考えるきっかけに

コンビニやスーパーには、食べるもの、着るもの、らしに関わるすべての商品があります。お店に行ったときには、ここでしょうかいした商品のように、かんきょうや社会のことを考えた商品をさがしてみてください。そして、モノを買うとき、使うときには、環境や社会のことを考えた商品を選ぶようにしてみてください。
(石橋さん)

ペットボトルを原料の一部に使った衣料品も環境のことを考えてつくられた商品の一つ。 ※2019年撮影

それは、目標12のもう一つのせきにん「つかう責任」にもつながる、みなさんにも参加できる、SDGs達成への行動です。そうした一人ひとりの行動の積み重ねが、持続のうな社会づくりにきっとつながります。
セブン&アイグループの商品が、みなさんの責任を果たすきっかけにしてもらえたら、うれしいですね。(石橋さん)

わたしたちの毎日の暮らしをささえてくれるコンビニやスーパー。そこで、環境や持続可能な社会のことを考えてつくられた商品を見つけるたびに、自分たちの暮らしのあり方を考えるきっかけにできそうです。


原稿作成:株式会社 日経BP

もっと学びたい人へ

セブンプレミアムの環境への取組み
「GREEN CHALLENGE 2050」


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