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SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS

SDGsの目標:12つくる責任とつかう責任

取り組み事例

プラスチックごみの問題に取り組み,みんなが考えるきっかけに~「キットカット」の外ぶくろを紙のほうそうへ~

ネスレ日本かぶしき会社


洋服やペットボトル,おべんとうや食品のようなど,わたしたちの身の回りのさまざまなものに使われているプラスチック。しかし,今,そのプラスチックがごみとなることで大きな問題を引き起こしています。
この問題のかいけつに,食品や飲料を世界中ではんばいする会社も行動を始めています。「キットカット」や「ネスカフェ」などをせいぞうして販売している,ネスレ日本のグスタヴィッチむつみさんにその取り組みを聞きました。

ネスレ日本株式会社 コンフェクショナリー事業本部 マーケティングスペシャリスト グスタヴィッチむつみさん

しんこくなプラスチックごみ問題

じょうぶで空気や熱も通しにくく,いろいろな形に加工できるなど,プラスチックはそののうせいしつから,身の回りのさまざまなものに使われていて,わたしたちがつくる「キットカット」のほうそうもその一つです。
しかし,一方で,プラスチックはその多くが使つかてにされていて,ごみとしててられると自然にぶんかいされることがほとんどなく,そのかいしゅうしょむずかしいものになってしまいます。(グスタヴィッチさん)

最近,特に問題となっているのが,海のプラスチックごみです。ごみとして捨てられたプラスチックが最後に行きつくのは海。世界中の海にはすでに1億5,000万トンのプラスチックごみがあると言われていて,そこに,毎年800万トンもが新たにながんでいるとすいていされています。このままのじょうきょうが続けば,2050年には海にいる魚の重さよりもプラスチックごみの方が多くなると言われています。

世界の海に流れ込む海洋プラスチックごみは,毎年,少なくともスカイツリー222分に相当しています

また,捨てられたプラスチックは,波の力やがいせんえいきょうで細かくなり,5mm以下の「マイクロプラスチック」となって世界中の海にそんざいしていて,こうしたマイクロプラスチックが海の生き物たちの体から見つかっています。そして,それらの生き物を食べているわたしたちの体にもちくせきしていると言われています。

マイクロプラスチックは海のせいたいけいまれて,わたしたちの体にも蓄積しています

ネスレは,世界中で食品や飲料をせいぞうはんばいしている会社として,この問題に対するせきにんがあります。
そこで,2025年までに,全世界でつくる製品のほうそうを100%リサイクル,リユースできる素材に変えて,プラスチックごみをらしていくことを決めました。(グスタヴィッチさん)

「脱」プラスチックへの取り組み

ネスレでは,世界中でプラスチックごみの問題に対する取り組みを始めていますが,日本では,2019年から「キットカット」の外ぶくろをプラスチックから紙にする取り組みを始めています。(グスタヴィッチさん)

日本で1年間にてられるプラスチックごみは約900万トン。そのうち,約半分が,レジ袋や食品トレー,ストローなど,一度利用されただけで捨てられてしまうことが多い「よう・包装」で使われているものす。ですから,プラスチックごみをらしていくために,包装で使われるプラスチックを減らしていくことは,大きなこうのある取り組みです。

日本で捨てられているプラスチックごみのうちわけ

【プラスチックせいひんの生産・はいさいげんしょしょぶんじょうきょう2018(いっぱんしゃだんほうじんプラスチックじゅんかん利用協会) より作成】

「キットカット」は世界100か国以上で発売されているチョコレートです。世界で一番「キットカット」が売れている国が日本で,日本のチョコレートの中で最もはんばい量が多いのも「キットカット」です。ですから,プラスチックごみ問題への取り組みを考えたとき,「キットカット」で使われているプラスチックを減らすことが,わたしたちネスレ日本がそっせんして取り組むことであると考えました。(グスタヴィッチさん)

すぐにできることからから取り組む

プラスチックごみの問題はげんざいも進行している問題です。
ですから,たとえ小さな一歩だとしても,すぐにでもできることから始めることが大切だとグスタヴィッチさんは言います。

「キットカット」で使っているプラスチックのほうそうは,チョコレートをちょくせつ包んでいる包装と,それをまとめて入れている外ぶくろがあります。 「キットカット」のおいしさやひんしつを守るために,チョコレートを直接包んでいる個包装をすぐに紙にへんこうすることはげんじつてきではありませんでした。
しかし,べつに包装されたチョコレートを入れている外袋であれば,すぐにでもざいを紙に変えることができます。そこで,まずは外袋を紙にすることから始めることにしました。(グスタヴィッチさん)

しかし,プラスチックがもつ,じょうぶでやぶれにくく加工しやすいというとくちょうを,どのようにして紙でじつげんするか,課題はありました。いくらかんきょうに良いからと言って素材を変えても,外袋がやぶけてしまったり,見た目が良くないものになったりしては,そもそも商品としてのが小さくなってしまいます。

この問題をかいけつするために,工場で包装の機械をつくる会社や紙の印刷をする会社にじゅつめんで協力をしてもらい, 2019年9月には「キットカット」の主力5商品の外袋を紙にすることができました。プラスチックから紙に素材を変えようと決めてから,1年弱ほどで実現しました。

紙の外袋に変更することについては,商品のはんばいたんとうしているえいぎょう部門からは当初「なぜやるのか」といったもんの声もありましたが,世界中で大きな問題になっている社会課題の解決に取り組むことのていねいに説明することで,少しずつしきが変わっていったと言います。

じっさいにプラスチックから紙に変えた新しい外袋ができると,商品を売るお店や,買う人たちから「とてもいい取り組みですね」と言ってもらえています。特に子どもやわかい人たちは,環境への関心が強く,紙の外袋に注目してくれているようです。
少しずつではありますが,しょうしゃも「より環境のことを考えた商品」を選ぶように,考え方や行動が変わって来ていることも感じています。(グスタヴィッチさん)

みんなで取り組む「だつ」プラスチック

「キットカット」の外ぶくろをプラスチックから紙にしたことで,ネスレ日本では,1年間で450トンのプラスチックをらすことができます。しかし,これは,日本でてられているプラスチック全体の量から見れば,まだほんのわずかな量だとグスタヴィッチさんは言います。

今回の取り組みは最初のステップです。2020 年 9 月には,外袋を使っているほぼすべての商品で,外袋をプラスチックから紙に変更し,2022 年までにはほうそうふくめて100%のリサイクル,リユースをのうにすることを目指し,これからもプラスチックごみのさくげんに取り組んでいきます。

しかし,こうした取り組みを続けていくには,紙でできたせいひんしょうしゃにもっと選ばれる必要があると考えています。そして,かんきょうのことを考えた商品の方が,それ以外のものより選ばれるということがはっきりすれば,ほかの会社ももっと新しいアイデアを出していき,プラスチックを減らすための取り組みが加速していくと思います。

わたしたちの取り組みが,お客様であるみなさんの行動を変えるきっかけになり,ほかのいろいろな会社でも,この問題に取り組もうという動きが広がるきっかけになれば良いと思っています。(グスタヴィッチさん)

紙に変えた外袋で「折りづる」をつくって気持ちを伝えあう活動をていあんするなど,ごみのを変えるかいけつさくの提案にも取り組んでいる。

しょうしゃであるわたしたちにできること

SDGsをしきして,ふだんの生活で具体的な行動をしている人は,まだ20~25%くらいだと言われています。地球の未来のためには,もっと多くの人たちが,自分にできることを具体的に行動することがもとめられています。

わたしたちネスレは,食品や飲料をつくる会社として,おいしくて安全で,そしてかんきょうはいりょした商品をみなさんにとどけるせきにんがあります。そして,みなさんは「消費者」として,商品を買うときに「何を」選ぶかという責任があります。

消費者が,環境を配慮した商品を選ぶことで,社会にはそうした商品がえていくはずです。みなさんの行動には,持続のうな社会のじつげんに向けてとても大きな責任と力があると思います。

紙の外ぶくろになった「キットカット」を手に取ってもらって,そういうことを考えるきっかけになってもらえたらうれしいですね。(グスタヴィッチさん)

わたしたちのせきにんある行動が,環境のことを考えた商品づくりにつながります。


原稿作成:株式会社 日経BP