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はんどうたいをテストでささえて持続のうな社会をつくる

かぶしき会社アドバンテスト

9.産業と技術革新の基盤をつくろう

スマートフォンやテレビなど、わたしたちのにちじょう生活は大小さまざまな電気を使ったせいひんのおかげで成り立っています。
こうした製品には「半導体」という部品が、なくてはならないことを知っていましたか?
キッチンで温かいお湯がすぐに出るのも、電車が時間通りに動くのも、それらの中にある半導体がせいかくに動いているからです。
もし、半導体が正しく動かなかったら、わたしたちのらしはだいこんらんしてしまうでしょう。
半導体が正しく動いているかけんするそうをつくり、暮らしを支えている株式会社アドバンテストのとうさんに、半導体のやくわりと、半導体が正確に動くことの大切さについて教えてもらいました。

株式会社アドバンテスト T2000プロダクトユニット 第10ソフトウエア部
後藤有貴さん

見えないところにあるはんどうたいが支えるわたしたちのらし

みなさんは「半導体」がどんなものか知っていますか? 半導体は電気を通す「導体」と、電気を通さない「ぜつえんたい」の中間のせいしつを持つぶっしつのことで、スマートフォンやエアコン、自動車やゲーム機などの部品として使われています。 半導体のやくわりは、人間ののうや、目、耳、しょっかんなどに例えると分かりやすいかもしれません。 機械をせいかくに動かすために、動きや力げんをコントロールするれいとうの役割をしたり、ぞうや音声、温度など、周りのかんきょうや動作のデータを機械にむためのセンサーの役目をしたり、半導体はさまざまな役割を持っています。いくつかの半導体が組み合わさることで、今や人間よりすぐれたのうりょくはっすることもできるようになっています。(とうさん)

半導体は、身の回りのあらゆる電気を使ったせいひんに使われていますが、製品の中にあるので、だん、わたしたちが目にすることはありません。しかし、この小さな部品が、わたしたちのかいてきで便利な暮らしをささえているのです。

目にすることはないけれど、身近な暮らしの中でたくさんの半導体がかつやくしている。

はんどうたいで広がる未来ののう

半導体が高度に進化したことで、今まではできなかったことやそうぞうもしなかったことがげんじつになりつつあります。

最近、げんきんの代わりに、スマートフォンやICカードなどで「見えないお金」のやりとりをして、電車に乗ったり買い物をしたりできる、電子マネーやキャッシュレスという新しいお金の仕組みが身近になってきました。この仕組みも、半導体がささえています。

スマートフォンやICカードにある半導体が、お店や駅で買い物をしたときのじょうほうせいかくに読み取り、読み取った情報をインターネットにせつぞくして、きんゆう機関へ正確にとどけるやくわりを果たしています。
また、電子マネーを安全に利用できるようにする、本人かくにんのための、もんや顔をにんしょうしてはんべつするのうも、半導体ののうりょくせいのうが進化したことでじつげんできるようになりました。

このほかにも、しゅうじょうきょうはんだんし、次の動作を指示する車の自動運転じゅつえいぞうや音声、しょっかんを通信で伝える VR 技術も半導体のさまざまな機能によって実現され、実用化に向かっています。

半導体は、わたしたちのにちじょうを安心、安全、かいてきにするとともに、ゆめのような未来をもたらしてくれるのうせいめているのです。(とうさん)

現金を使わない「キャッシュレス」の仕組みにも半導体が使われている。

SDGsを達成するのにも大きなやくわりを果たすはんどうたい

半導体は、SDGsとどのように関わっているのでしょうか?

半導体ののうりょくせいのうが進化すれば、それを使うさまざまなせいひんがたこうりつ、省エネ化につながり、わたしたちの安全でかいてきらしや、地球かんきょうへのらすことにつながります。

また、しんがたコロナウイルスかんせんしょうの流行がきっかけとなり、わたしたちの生活様式は大きく変化しました。学校のじゅぎょうや会社の会議をオンラインでささえるシステム、はなれた場所からのもんしんりょうをするえんかくりょうなども、半導体なしでは成り立たないものになっています。

そして、地球おんだんかいけつにおいても、半導体の役目は重要です。
地球温暖化の解決に向けては、そのよういんの一つであるさんたんはいしゅつを減らす、さいせいのうエネルギーのきゅうがこれまで以上に重要になります。しかし、再生可能エネルギーは天候の影響を受けやすく、安定した発電がむずかしいのが課題となっています。
そこで、例えば、太陽光発電では、太陽の動きに合わせて自動的に太陽光パネルの向きを調整する仕組みや、発電した電気をなくとどけるための仕組みをつくり、発電した電気をこうりつてきに使い、課題の解決につなげています。こうした仕組みをささえているのも半導体であり、半導体が気候変動の解決にもこうけんしているのです。(とうさん)

すべての人がゆたかで持続可能に暮らしていけることを目標にしているSDGs。そのじつげんのためには、教育や健康、環境やけいざいなどの課題を、新しいじゅつで解決しなければなりません。そして、そこには半導体とよばれる小さな部品が大きな力をはっしているのです。

いろいろなSDGsの目標に半導体の力が大きく関わっている。

SDGsアクションコーナー

ここまでの文章を読んで、以下の問いについて調べたり、考えたりしてみよう。

①私たちの生活の中で、半導体が使われている製品や技術にはどんなものがあるか、調べてみよう。
②エネルギーと半導体との関わりについて調べ、省エネのために私たちができることについて考えよう。
③新しい技術やサービスが生まれると、私たちの暮らしにどんな変化が生まれるか、考えてみよう。

参考サイト:動画で紹介!「半導体」
▶はたらく半導体をみてみよう!
▶エネルギーを上手に使おう
▶半導体とSDGs

https://www.advantest.com/ja/semi-video/

はんどうたいせいかくに動くかをきびしくテストするじゅうようせい

わたしたちの生活をささえ、持続のうな社会をつくるためにも欠かせない半導体ですが、ひとつのせいひんに、何百もの半導体が使われていることも少なくありません。

半導体は、電車や飛行機、自動車にも使われています。ですから、もし、半導体が正しく動かなかったら、わたしたちのらしには大きなこんらんが生じてしまいます。

どんなに便利でらしい製品であっても、それをささえる半導体が正しく動かなければ、そのせいのうを正しくはっすることができません。ですから、半導体が正しく動くかけん(これを半導体のテストとんでいます)をすることはとても重要なことなのです。(とうさん)

半導体をテストするアドバンテストの機械装置。

アドバンテストでは、半導体の最終テストに使うシステムをつくり、半導体をつくる会社といっしょに正しく動くかどうかのテストをしています。

半導体も電子部品の一つなので、100%正しく動くとはかぎりません。そのため、暮らしを支える多種多様な製品をつくるときは、使用する半導体を厳しく検査する必要があります。1秒間に10億回ものじょうほうのやりとりをする半導体を、じっさいの製品で使われるのと同じ速さで検査したり、何百個もの半導体を同時に動かして、正確にはんのうするかをためしたりもします。

半導体は、人の命に関わるようなりょう機器や自動車にも使われています。ですから、何重もの厳しいテストをかえして、正しく動くかどうかをかくにんしなくてはなりません。さまざまなやくわりを持つ半導体の性能に合わせて、どのようなテストをするかを考え、それに必要なそうやソフトウエアを開発するのがわたしたちの仕事です。(後藤さん)

きびしいテストをかえし、のうを可能にする

はんどうたいが正しく動くために行うテストは、「小さな半導体に命をむ」ことだと、とうさんは言います。

さまざまなせいひんの中にある半導体が正しく動くことで、製品がせいのうを十分にはっし、わたしたちの生活が、安心安全でかいてきなものになっていきます。

半導体のテストを重ねていくことは、「できないことをなくすことへのちょうせん」です。こうした挑戦によって部品の性能が上がれば、これまでにはない性能を持った製品がつくれるようになります。そして、こうした積み重ねが、より良い社会のばんをつくり、持続可能な社会を達成することにもつながります。

今はできないことでも、いつかできるようになると信じ、あきらめずにチャレンジし続けること。
それが、持続可能で明るい未来へとつながるのだと思います。(後藤さん)

アドバンテストのビオトープを見てみよう!

アドバンテストの研究開発センターには、自然の立地を生かしたビオトープがある。


原稿作成:株式会社 日経BP


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