ジェンダーってなに?
「女の子だから」「男の子だから」と言われたことはありませんか? 男女の違いには、カラダのつくりのほかに、社会的・文化的な役割の違いがあります。「男性はこうあるべき、女性はこうあるべき、するべき」と、みんなが無意識に決めつけている女性と男性の違いを「ジェンダー」といいます。
たとえば、「外で働くのは男性で、家のことをするのは女性」「男性は青、女性はピンク」と決めつけること。こういった先入観が、ジェンダーの不平等や差別を生んでいます。
「女の子だから」「男の子だから」と言われたことはありませんか? 男女の違いには、カラダのつくりのほかに、社会的・文化的な役割の違いがあります。「男性はこうあるべき、女性はこうあるべき、するべき」と、みんなが無意識に決めつけている女性と男性の違いを「ジェンダー」といいます。
たとえば、「外で働くのは男性で、家のことをするのは女性」「男性は青、女性はピンク」と決めつけること。こういった先入観が、ジェンダーの不平等や差別を生んでいます。
ジェンダー...社会的・文化的に形成された性別のこと。
世界では、女性であるというだけで、教育を受けられない、身体が大人になる前の10代で結婚・妊娠・出産する、人身売買で売られてしまうなど、さまざまな差別を受けるケースがあります。
大人になっても、外で自由に仕事をすることは許されず家事や育児に専念するしかない、家庭の中で暴力を受けるなど、差別に苦しむ女性も少なくありません。
SDGsが目指すのは、男性も女性も社会的に平等であること。男性だから、女性だからとさまざまな差別を受けることのない社会をつくる努力が必要です。
性の違いというと、これまでは男性・女性で分けるのが一般的でした。しかし、新たな性の考え方として「LGBTQ」という人たちの存在を社会が受け入れることが大切になっています。
LGBTQ...生まれつきの性別ではなく、カラダと心の性が違う人や恋愛対象が同じ性別の人だったりする人などのこと。レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、クエスチョニング、クィアなどの人たちがいます。
レズビアン(女性同性愛者)...女性が恋愛対象の女性
ゲイ(男性同性愛者)...男性が恋愛対象の男性
バイセクシャル(両性愛者)...男性も女性も恋愛対象
トランスジェンダー...生まれたときの性別と自分で認識している性別が異なる人
クエスチョニング...自分の性別がわからない、決めていない人
クィア...さまざまな性的少数者(セクシャルマイノリティ)の自称
LGBTQの人たちは、さまざまなシーンで差別を受けやすい立場にあります。どんな性のあり方でも、お互いを大切にして平等であることを大切にしていきたいですね。
男女の格差を比べた2023年の「ジェンダーギャップ指数」によると、日本は146カ国中125位※1。この順位が教えてくれるのは、社会の中で男性、女性が平等であるために、日本の社会が解決していかなくてはいけない問題がまだまだたくさんあるということです。
ジェンダーギャップ指数...経済・政治・教育・健康の分野で男女の違いを比べたもの。日本は教育、健康の分野では男女平等ですが、労働力、企業の幹部などの男女の割合を比べた経済の分野は世界平均と同じくらい、政治家などの男女比を比べた政治の分野では大幅に女性の数が少なくなっています。
ジェンダーの平等を実現するという点では、世界から見ても遅れている日本。その一つの例として、保育園問題を考えてみましょう。
女性が育児をしながら安心して働き続けるために、子どもを預ける保育園は欠かせません。しかし、結婚・出産後も働く女性が増えているのに、保育園の数が圧倒的に足りず、大きな社会問題になっています。これも、女性が社会で活躍するのを妨げています。
身近な自分の家でも、ジェンダーを考えることができます。ジェンダーの平等とは、お父さんとお母さんが仕事も家事も育児も、すべてにおいて協力し合い、同じように分担することです。自分の家では、家族それぞれがどんな家事をどれくらい分担していますか? 書き出して比べてみると、わが家のジェンダーのバランスが見えてくるはず。家事の量だけでなく、その大変さの違いについても家族で話し合ってみましょう。
原稿作成:日経BP/東京書籍
協力:一般社団法人SDGs市民ネットワーク