未来をつくる教育
日本では、小学校・中学校の9年間が義務教育。すべての子どもたちが教育を受ける権利を持っています。しかし、世界には学校に通えない子どもたちが約1.3億人もいます※1。小学校に入学する歳になっても学校に通っていない子どもたちの約半分は、紛争や戦争、災害の影響を受けている場所に暮らしています。
日本では、小学校・中学校の9年間が義務教育。すべての子どもたちが教育を受ける権利を持っています。しかし、世界には学校に通えない子どもたちが約1.3億人もいます※1。小学校に入学する歳になっても学校に通っていない子どもたちの約半分は、紛争や戦争、災害の影響を受けている場所に暮らしています。
教育を受けることは、子どもたちが未来への希望をつなぐこと。特に、貧しい暮らしをしている子どもにとっては、教育を受けることが、その貧しさから抜け出し、安定した収入のある仕事につくチャンスにつながります。
世界では、男の子に比べて女の子は教育を受けられる機会が少ないという問題があります。これまでの取り組みで、小学校などの初等教育では、少しずつ男女が平等に教育を受けられるようになってきました。しかし、その上の中学校、高校、大学となると、まだまだ男の子のほうが多くなっています。
男女という性別の違いだけでなく、経済力の差や少数民族、障がい者という社会的に立場が弱い人も、平等に教育が受けられる社会を目指すことが大切です。
文字の読み書きができる人の割合を識字率といいます。世界では15歳以上で文字の読み書きができない人は約7億7,300万人※2。読み書きができないと、契約書などの文章が理解できずに家を借りて後でトラブルに巻き込まれたり、就職するときに不利な条件になってしまったりするなど、多くの問題があります。ときには、薬の名前を読めずに危険な薬を飲んでしまうなど、命に関わることにもなりかねません。
このような文字の読み書き、計算といった基礎的な教育を受けることが大切ですが、その質の高さも考えていかないといけません。途上国には、学校の設備が整っていない、教科書がない、先生が十分にいないなどの問題を抱えている国もあります。学ぶ環境を整えることも、質の高い教育を実現するのに大切な条件です。
教育は、わたしたちの未来のためにとても大切です。今の時代、学校の教室で学ぶだけでなく、インターネットにアクセスすることで、さまざまな世界や知識にふれることができます。このようなインターネットの環境がそろっているかどうかも、教育を受ける機会の差を生んでしまうため、教育の格差がさらに広がることについても考えていかなくてはいけません。
一方で、自分たちがふだん、学んでいる日本の学校でできることには何があるでしょうか? たとえば、学校の中だけでなく家庭や地域などの社会と協力して学ぶ機会を増やすことも、その一つです。SDGsを実現するためのさまざまなアイデアが見つかるかもしれません。
道なき道を何時間もかけて通学する子どもたちを追った、驚きと感動のドキュメンタリー。往復30kmの通学路を4時間で毎日通う兄妹など、別の大陸、違う言語、宗教、生活環境の中で暮らす4人の子どもたちは、"世界の果ての通学路"を通う。その思いは、「夢をかなえたいから」。当たり前のように歩きや電車・バスで学校に通うわたしたちとの違いを知り、学ぶ希望について考えてみたい。
原稿作成:日経BP/東京書籍
協力:一般社団法人SDGs市民ネットワーク