みんなが健康で長生きできるために
世界では、5歳になる前に命を落としてしまう赤ちゃんや子どもが1年間に約500万人もいます。アフリカのサハラより南の地域では、13人に1人の子どもが、5歳未満で亡くなっていて、オーストラリア、ニュージーランド地域の250人に1人と比べて19倍も高い割合です※1。これらの地域では妊娠中や出産するときに亡くなるお母さんも多くいます。
世界では、5歳になる前に命を落としてしまう赤ちゃんや子どもが1年間に約500万人もいます。アフリカのサハラより南の地域では、13人に1人の子どもが、5歳未満で亡くなっていて、オーストラリア、ニュージーランド地域の250人に1人と比べて19倍も高い割合です※1。これらの地域では妊娠中や出産するときに亡くなるお母さんも多くいます。
抵抗力の弱い子どもにとっては、先進国であればすぐに治療できるような病気でも命を失う原因になります。途上国の赤ちゃんや小さな子どもたちが亡くなる原因として多いのが、肺炎や下痢です。予防が行き届かず、十分な治療が受けられないことで、多くの子どもたちが命を落としているのです。
世界には感染すると命の危険がある病気でも、結核、ポリオのようにワクチンで防げる感染症も多くあります。マラリアやエイズ(HIV感染症)も予防法を知っていれば、防ぐことができます。
世界が協力して感染症の予防に取り組んできたことで、感染する人は減っていますが、残念ながら、まだ命を落とす人が多くいるのが現実です。たとえば、アフリカ地域では、マラリアで亡くなる人の80%が5歳以下の子どもです。すべての人が正しい感染症の予防法をきちんと知ること。それが健康で長生きできる社会をつくります。
性に関する教育も必要です。途上国では、「妊娠・出産」で命を落とすお母さんが多くいます。若い女の子が望まない妊娠をしないため、妊娠中や出産で亡くなる数を減らすためにも、自分の体を守るための性の知識を持つことが大切なのです。
福祉とは、最低限の幸せな生活を送るために社会が援助するサービスのこと。教育、文化、医療、労働など幅広い分野にわたります。
日本では病院にかかるときに使う「健康保険」も、社会福祉サービスの一つです。健康保険は、医療費※2のうち自分では一部を払い、残りは国民全員が払う保険料でまかなう、という制度です。日本では国民全員が健康保険に入ります。そのため、自分が支払う医療費が比較的安くなり、だれもが治療を受けやすくなっています。
途上国では、このような社会福祉サービスがまだまだそろっていません。貧しい人たちは、病院にお金が払えないからと病気やケガの治療を受けられずにいます。また、検査や手術の設備がない、薬がない、医者がいない、救急車がないなど、治療を受けるための環境が整っていないことも、これから解決していかなくてはいけません。
ふだん、自分が健康でいるためにやっていることに、どんなことがあるか考えてみましょう。手洗い・うがいは自分が病気になるのを予防するだけでなく、ほかの人にうつすのを防ぐことにもなります。インフルエンザのワクチンも同じで、自分が感染しないことで、流行をおさえることになるのです。
日本発で世界に注目されているものに「母子健康手帳」があります。お母さんが妊娠すると渡される手帳で、妊娠中や生まれてからの成長、予防接種などを記録します。子どもの健康や発達・成長に関する情報も読むことができ、お母さんと子どもの健康を守るのにとても役立つ手帳です。
自分の母子健康手帳を見返して、元気に成長するためには、どんなことが大切か、予防接種にはどんなものがあるのか、確認してみるのもおすすめです。
このほかにも、みんなが健康でいるためにどんな知識が必要で、どんなことをすれば良いのか、考えてみると良いですね。
原稿作成:日経BP/東京書籍
協力:一般社団法人SDGs市民ネットワーク