いろいろな不平等
世界には、いろいろな不平等があります。
先進国と途上国、開発途上国と後発開発途上国(途上国の中でも特に開発が遅れた国)、同じ国や地域の中でも豊かな人と貧しい人、男性と女性、障がいがある人とない人、人種、民族、宗教......。
これらの違いがもたらす不平等を減らすことは、世界の幸せのためにはとても大切です。それが貧困や飢え、争いごとをなくすことにも役立ちます。
世界には、いろいろな不平等があります。
先進国と途上国、開発途上国と後発開発途上国(途上国の中でも特に開発が遅れた国)、同じ国や地域の中でも豊かな人と貧しい人、男性と女性、障がいがある人とない人、人種、民族、宗教......。
これらの違いがもたらす不平等を減らすことは、世界の幸せのためにはとても大切です。それが貧困や飢え、争いごとをなくすことにも役立ちます。
世界の人口は約80億人。そのうち、81人の億万長者は、世界の半数の人よりもたくさんの資産を持っています。たった81人の億万長者が世界の人口の半分以上の富を持っているのです※1。
ほんのひと握りのエリートやお金持ちに世界の富が集中することで、お金持ちはよりお金持ちに、貧しい人はより貧しくなる。そんな貧富の格差が広がっています。
このような極端な貧富の格差を減らして、富の再分配の仕組みをつくること。そして、貧しい人たちが収入を増やしていける支援が必要です。
不平等の問題の一つに、移民問題があります。移民とは、自分が住む国からほかの国へさまざまな目的で移り住む人たちです。
移民の受け入れが、国や地域によっては、なぜ問題になるのでしょうか。
ひとつには不況で仕事が減ったときに、もともと住んでいる人が移民と仕事の取り合いになってしまう可能性があると、考えてしまうこと。移民のほうが安い賃金で働くことが多いために、自分たちの仕事を奪っていると感じる人がいるのです。また、移民が定住することで、人口に占める移民の割合も増えていきます。移民政策を進めてきたドイツでは、5歳未満の約2.3人に1人が移民というデータもあります※2。「自分の周りに異なる文化や宗教、慣習を持つ人がいる」ことをいやがって、移民へのいやがらせをする人や団体も少なくありません。
一つの国の中で、もともと住んでいた人たちと移民の間に、いつのまにか感情的な対立が生まれ、さまざまな問題を引き起こしています。さらにその子どもや孫の2世や3世も、移民の子孫として差別や不平等な扱いを受けがちです。
世界中を人々が自由に行き来する時代だからこそ、さまざまな人々が共に働き、一緒に暮らしていける世界を考えるべきでしょう。
さまざまな不平等や差別はどうして起きるのでしょうか? 考えてみると肌や髪の色などの見た目、言葉、慣習、宗教、人種、生活習慣の違いはたくさんあります。
違いは国と国、人種や言葉、文化だけではありません。性別、健康な人と病気や障がいがある人、好きなことや得意なことなど、お互いが違うことはたくさんあります。どちらかが優れているわけではなく、違いがあるからこそ学び合い、発見することができるのです。
不平等を減らすには、みんなが違っていることを知り、違いがあるのが当然だと理解すること。お互いの違いを認め、相手を大事にする気持ちが、何よりも大切になってきます。
原稿作成:日経BP/東京書籍
協力:一般社団法人SDGs市民ネットワーク