地球がひとつでは足りない?
世界ではたくさんの資源 やエネルギーを使って多くのものを生産しています。それをわたしたちが大量に消費して暮 らしているのです。このような大量生産・大量消費の暮らしは、地球にとても大きな負 担をかけています。
1970年代以降、地球の生態系が1年間に生み出すことができる資源の量より、人類全体が1年間暮らしていくために消費する資源の量の方が多い状態が続いています。現在、人類全体の生活を支えるには、地球が1.7個必要です。
つまり、わたしたちの生活は、魚を獲り過ぎたり、森を切り過ぎたりして、未来の資源やエネルギーを先に使ってしまうことによって成り立っているのです。
豊かな地球の資源には限りがあります。わたしたちは、ずっと続けられるような生産や消費をしていくことで、美しい地球を未来につなぐ責 任があります。
読み解くヒント
まだ食べられるのに捨てられる「食品ロス」
大量生産・大量消費を代表するのが食べ物です。日本では、食べ残しや賞味期限 切れなど、まだ食べられるのに捨てられる大量の「食品ロス」が問題になっています。
家庭から食品ロスが出る理由は、①買いすぎや保存方法が悪くて、直接捨てられる、②つくりすぎや好き嫌いによる食べ残し、③野菜の皮を厚くむきすぎたり、大根の葉っぱを捨てたりするなど、調理をするときに食べられる部分まで捨ててしまうことの3つに分けられます。
キーワード
食品ロス...まだ食べられるのに捨てられる食べ物。食べ残し、賞味期限 切れで捨てられる食品なども食品ロス。
日本の食品ロスは年間約523万t※1。日本の国民全員が毎日茶碗約1杯分に近い量の食べ物を捨てている計算です。これは、世界が飢えに苦しむ国や地域に援助している食べ物の1.1倍の量。飢えて命の危険にさらされる人たちがいる一方で、その人たちが必要とする以上の食べ物が、日本では捨てられているのです。
商品を選ぶことで消費者としての責任 を
買い物をしていると、いろいろなラベルに気が付きます。 その中には、地球環境やそれをつくる人たちの権利を考えた商品につけられた、さまざまな認証 ラベルがあります。 つくり手である企業が責 任 をもって商品をつくり、それが消費者にわかるようにラベルをつける。わたしたち消費者は買い物をするときに、その商品を選ぶことで、持続可能な社会に役立つことができます。 それぞれのラベルの意味を知ることは、その商品がどんなふうに自分の手元に届いたか、それがどうして持続可能な社会に役立つのかを理解するきっかけになるでしょう。
わたしたちにできることは?
わたしたちは、モノやサービスをつかう消費者として、目標12の達成に向けてできることがたくさんあります。
「3R」に積極的に取り組むこともその一つです。
マイバッグを持って包装は断ったり、詰め替え容器に入った製品を選んだりすることでムダなごみを減らすことができます。
フリーマーケットなどで、使わなくなったものの再使用に努める、資源ごみの分別回収に協力して、リサイクル製品を積極的に利用するなども、資源を生かすためにできる取り組みです。
キーワード
3R...リデュース(Reduce)、リユース(Reuse)、リサイクル(Recycle)の3つのR(アール)の総称。リデュース→リユース→リサイクルの順に心がけることで、ムダなごみを減らし、資源を生かすことにつながる。
・Reduce:ムダなごみを減らす
・Reuse:一度使ったものでも繰り返し使う
・Recycle:使い終わったものをもう一度資源に生まれ変わらせる
ほかにも、買い物をするときに、環境に良い方法や人権に配慮された製品を積極的に選んでそれをつくった企業を応援することも、つかう責任を果たすことにつながります。