争いのない世界を目指して
世界には、今、この瞬間もどこかで紛争や戦争などの争いごとが起きています。紛争地域で暮らす子どもたちは約4億6,800万人※1。たくさんの人が争いごとや暴力、迫害で命をうばわれたり、家族を失ったりするなどのつらく悲しい思いをしています。家や財産をなくし、住む場所を追われる人も少なくありません。
あらゆる争いごとをなくして、平和を実現すること。そのためにも、法律などの公正な制度をだれもが利用できることが大切になってきます。
世界には、今、この瞬間もどこかで紛争や戦争などの争いごとが起きています。紛争地域で暮らす子どもたちは約4億6,800万人※1。たくさんの人が争いごとや暴力、迫害で命をうばわれたり、家族を失ったりするなどのつらく悲しい思いをしています。家や財産をなくし、住む場所を追われる人も少なくありません。
あらゆる争いごとをなくして、平和を実現すること。そのためにも、法律などの公正な制度をだれもが利用できることが大切になってきます。
紛争などで住む場所を追われた人たちが暮らす難民キャンプ。世界の難民の数は1億840万人。74人に1人が家を離れて別の場所に移動しなければいけない状況にあります※2。
2011年から内戦が続くシリアでは、多くの人が難民として国外へ避難しています。同じ中東のヨルダンには大きな難民キャンプがあり、難民となった大勢のシリア人が暮らしています。このシリアのほかに、南スーダン、ベネズエラ、アフガニスタン、ミャンマーを加えたら5つの国が、難民の3分の2以上を占めています。その多くが弱い立場の女性や子どもたちです。
難民が集まって暮らす場所が、難民キャンプです。その規模や条件はさまざまですが、多くは国際的な支援団体が手助けをしています。安全を確保し、住む場所や水、食べ物など生活に必要なものを届けます。病院や学校だけでなく、将来、自分で生活できるための職業訓練などを行うこともありますが、そのような環境はキャンプによっても大きく違います。
日本では、子どもが生まれると、自治体に出生届を出して、戸籍に登録されます。それによって日本人という国籍を持ち、学校や病院に通ったり、必要な社会の公的サービスを受けたりすることができるようになるのです。
このように、赤ちゃんが生まれたら「出生登録」をすることは、子どもの人権として世界で認められている権利です。登録されることで、さまざまな権利を持ち、健康で幸せに成長するためのサービスを受けられます。
しかし、現在、世界では、5歳未満の子どもの4人に1人が出生登録をされていません※3。 特に、東南部のアフリカ地域では子どもの半分以上が出生登録されていない状況です。出生登録をしない理由としては、届ける場所が家から遠い、出生届が必要だと親が知らなかった、などがあります。出生登録の重要性をより多くの人たちに伝えていくことが、子どもの人権を守ることにつながります。
世界の平和のためには、まずは、「どんなことが世界で今、起きているのか」を知ることがとても大切です。テレビやニュースで見かけたら調べてみたり、お父さんやお母さん、学校の友だちや先生と話したりしてみるのも良いでしょう。関係するようなイベントや募金に参加することも、遠い日本からできることの一つです。
また公正な社会をつくっていくためには、わたしたちが積極的に政治にかかわっていくことも大切です。日本では18歳から選挙権があるので、ぜひ選挙に参加して、自分の意見を政治に届けるようにしましょう。
原稿作成:日経BP/東京書籍
協力:一般社団法人SDGs市民ネットワーク