- すべての人が手ごろな価格で安定的な発電による,持続可能で近代的なエネルギーを使える
- EduTown SDGs
- 17の目標
- 7.再生可能なクリーンエネルギー
電気を使えない人は11億人も
電気やガスなど私たちの生活に欠かせないエネルギー。しかし,世界ではいまだに約11億人が電気を利用できずにいます。※1
電気が使えない地域では,薪や炭を燃やして,料理をしたり暖房に使ったりしています。その数は約30億人。煙で汚れた空気で健康をそこなうことにもなります。また,貧しい人々は,夜でも明かりを使うことができず,仕事や勉強ができません。途上国では,外灯の灯りで勉強をする子どももいます。
※1 出典:国連広報センターのSDGs最新報告より
読み解くヒント
限りある化石エネルギー
18世紀の産業革命以降,人口増加や産業の発展でエネルギーの消費は急速に増えてきました。今後もアジアやアフリカの経済の成長に合わせて,エネルギー消費がますます増えると考えられています。
現在のエネルギーは,石油,石炭,天然ガスの化石エネルギーが中心です。ついで原子力,再生可能エネルギーとなっています。化石エネルギーは限りのある資源で,このペースで使い続けると100年後にはほとんど使い果たしてしまうという予測もあります。また,化石エネルギーを作り出すときに二酸化炭素が発生するのも問題です。このまま化石エネルギーの消費量が増え続けると,温暖化や気候変動がますます深刻になるといわれています。
再生可能な自然エネルギーとは
そこで未来のエネルギーとして,世界が力を入れているのが再生可能エネルギーです。世界のエネルギー消費の約25%が再生可能エネルギーで,先進国を中心に積極的に導入されています。※2
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キーワード
再生可能エネルギー…太陽光,水力,風力,バイオマス,地熱などのエネルギー。使用しても資源を再生することが可能なので,石油などの化石燃料のように資源がなくなる心配がない。また,CO2を出すこともなく,環境にもやさしい安全でクリーンなエネルギー。
わたしたちにできること
これからのエネルギーとして,各国が積極的に導入を進めている再生可能エネルギー。再生可能エネルギーの各国事情を調べることで,未来のエネルギーについて考えてみることも,わたしたちにできることのひとつです。
再生可能エネルギーの発電量が多いのは,中国と米国で,この2つの国は突出して発電量が多くなっています。また,発電量に占める再生可能エネルギーの割合が高いのは,デンマークやドイツなどヨーロッパの国々。特に風力発電の盛んなデンマークでは,自分の国の発電量の4割以上が風力発電です。他の国の再生エネルギーの導入をみることで,これからのわたしたちのエネルギーのあり方のヒントがみつかるかもしれません。
石油のような化石エネルギーなどエネルギー資源の大半を海外からの輸入に頼っている日本。日本は世界第4位のエネルギー消費国でありながら,エネルギー自給率はわすか7.4%※3。これは先進国の中でも極めて低く,エネルギー資源のほとんどを海外からの輸入に頼っている状況です。
また,日頃から節電を心がけ,エネルギーを上手に使う工夫をすることも,自分にできることのひとつとなります。
※3 出典:経済産業省 資源エネルギー庁 電力調査統計
電力調査統計
日本のエネルギー
原稿作成:日経BP社/東京書籍
協力:一般社団法人SDGs市民ネットワーク