わたしたちが創る未来

SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS

SDGsの目標:5ジェンダー平等

  • 男女のせいべつやくわりとしてのジェンダーがすべての人にとって平等である
  • すべてのじよせいや女の子に力をあたえる

ジェンダーってなに?

「女の子だから?」「男の子だから?」と言われたことはありませんか? 男女のちがいには,カラダのつくりのほかに,社会的・文化的なやくわりちがいがあります。この社会的・文化的なやくわりというのが,「だんせいは,じよせいはこうあるべき,するべき」と,みんながしきに考えているイメージです。

例えば,「外で働くのはだんせいで,家のことをするのはじよせい」「だんせいは青,じよせいはピンク」と決めつけること。こういった先入観が,ジェンダーの不平等や差別を生んでいます。

キーワード

ジェンダー…社会的・文化的に形成されたせいべつのこと。


くヒント

じよせいだから」差別される?

世界では,教育を受けられない,身体が大人になる前の10代でけつこんにんしん・出産する,人身売買で売られてしまうなど,じよせいであるというだけで,さまざまな差別を受けるケースがあります。

大人になっても,外で自由に仕事をすることはゆるされず家事や育児にせんねんするしかない,家庭の中でぼうりよくを受けるなど,差別に苦しむじよせいも少なくありません。

SDGsが目指すのは,だんせいじよせいも社会的に平等であること。だんせいだから,じよせいだからと様々な差別を受けることのない社会をつくる努力が必要です。

女の子の学ぶけんを求めて

ノーベル平和賞 マララ・ユスフザイさん

パキスタンで生まれ育ったマララ・ユスフザイさん。マララさんの住むいきは,イスラムそうせいりよくのタリバンにせんりようされ,女の子が学校に行くことがきんされてしまいました。しかし,マララさんはインターネットを使って,女の子が教育を受けるけんについてブログで自分の考えを発表。その結果,2012年,タリバンからじゆうで頭をたれてじゆうしようを負いました。イギリスでしゆじゆつを受けて一命をとりとめ,その後も子どもや女の子が教育を受けるけんを求めて積極的に活動。2014年,17さいという史上最年少でノーベル平和賞を受賞しています。

身体的なせいべつにとらわれないLGBTとは?

せいちがいというと,これまではだんせいじよせいで分けるのがいつぱんてきでした。しかし,新たなせいの考え方として「LGBT」という人たちのそんざいを社会が受け入れることが大切になっています

キーワード

LGBT…生まれつきのせいべつではなく,カラダと心のせいちがう人やれんあい対象が同じせいべつの人だったりする人などのこと。レズビアン,ゲイ,バイセクシャル,トランスジェンダーに分けられます。

レズビアン(じよせいどうせいあいしや)…カラダはじよせいで,れんあい対象もじよせい

ゲイ(だんせいどうせいあいしや)…カラダはだんせいで,れんあい対象はだんせい

バイセクシャル(りようせいあいしや)…だんせいじよせいれんあい対象

トランスジェンダー…生まれたときのせいべつと自分でにんしきしているせいべつことなる人

LGBTの人たちは,さまざまなシーンで差別を受けやすい立場にあります。どんなせいのあり方でも,おたがいを大切にして平等であることを大切にしてきたいですね。

日本のジェンダーの平等はどうなっている?

男女の社会的・文化的なかくくらべた2017年の「ジェンダーギャップ指数」によると,日本は114カ国中114位※1。これは前回の111位からさらに順位を落として,最低をこうしんしました。

※1 出典:世界けいざいフォーラム「ジェンダーギャップ指数」2017年度ほうこくしよ

キーワード

ジェンダーギャップ指数…けいざいせい・教育・健康の分野で男女のちがいをくらべたもの。日本は教育,健康の分野では男女平等ですが,労働力,ぎようかんなどの男女のわりあいくらべたけいざいの分野は世界へいきんと同じくらい,せいなどのだんじよくらべたせいの分野ではおおはばじよせいの数が少なくなっています。

※イラスト出典:世界けいざいフォーラム「ジェンダーギャップ指数」ほうこくしよ(2017年ばん)より作成

この順位が教えてくれるのは,社会の中でだんせいじよせいが平等であるために,日本の社会がかいけつしていかなくてはいけない問題がまだまだたくさんあるということです。


わたしたちにできること

ジェンダーの平等をじつげんするという点では,世界からみてもおくれている日本。そのひとつの例として,いくえん問題を考えてみましょう。

じよせいが子育てをしながら安心して働き続けるために,子どもをあずけるいくえんは欠かせません。しかし,けつこん・出産後も働くじよせいえているのに,いくえんの数があつとうてきに足りず,大きな社会問題になっています。これも,じよせいが社会でかつやくするのをさまたげています。

身近な自分の家でも,ジェンダーを考えることができます。ジェンダーの平等とは,お父さんとお母さんが仕事も家事も子育ても,すべてにおいて協力し合い,同じようにぶんたんすることです。自分の家では,家族それぞれがどんな家事をどれくらいぶんたんしていますか?書き出してくらべてみると,わが家のジェンダーのバランスが見えてくるはず。家事の量だけでなく,その大変さのちがいについても家族で話し合ってみましょう。


原稿作成:日経BP社/東京書籍
協力:一般社団法人SDGs市民ネットワーク