- 持続可能な開発のために,海や海の資源を守る
- 海や海の資源を持続可能な方法で利用する
- EduTown SDGs
- 17の目標
- 14.海の豊かさを守る
海はすべての生命のみなもと
地球の面積の7割を占める海。この豊かな海は,地球のあらゆる命のみなもとです。そして,海からはわたしたちが生きるための食べものなど,多くの恵みを受け取ってもいます。
しかし,その海が,深刻な問題をかかえています。
ひとつは魚などの獲りすぎで,多くの海の生き物が絶滅の危機にあること。世界的な健康ブームで魚を食べる人が増えています。その結果,魚を獲る量が増加し,違法な漁業も増えています。その結果,魚資源が減ってしまい,獲る余裕があるのがたったの10.5%になってしまいました。※1
※1 出典:JAICAF「世界漁業・ 養殖業白書 2016年 - 国際農林業協働協会」(2016)
もうひとつは,わたしたちが出すゴミや排水で海が汚れてしまっていることです。
読み解くヒント
マグロやウナギが食べられなくなる
世界の人口が増え,漁業の技術も進歩したせいで,「魚の獲りすぎ」が問題になっています。魚が大好きな日本人におなじみのマグロやウナギも絶滅危機にあります。マグロのおすしもウナギの蒲焼も,食べられなくなる日がくるかもしれません。
そうならないようにするには,魚などの海の生き物をずっと獲り続けられるような仕組みを考えていく必要があります。魚を獲る量を制限するのもひとつですが,漁業で生活をしている途上国の人々たちが他の仕事で収入を得られるサポートをするなど,途上国の人の生活を守ることも考えていかなくてはいけません。
海はプラスチックのゴミ捨て場?
海岸にうちあげられた,たくさんのプラスチックゴミを見たことがあるのではないでしょうか。
プラスチックの生産量は大きく増えていて,そのスピードは人口が増えるスピードより早くなっています。特に飲み物や食べ物の容器,荷物を運ぶときに使う発泡スチロールなど,包装に使うプラスチックの消費が増えています。
プラスチックのリサイクルが進んでいる日本と違い,世界のリサイクル率は1割ほど。大部分は燃やす,土に埋める,そのまま捨てられたりしています。その量はとても多く,あと30年で,海に流れついた大量のプラスチックゴミが海の魚の量を超えるだろうという予想もあるほどです。※2
プラスチックは海の中で砕けて,小さな破片となり,それを魚や海鳥たちがエサと間違えて食べてしまいます。クジラのお腹から山のようなプラスチックが出てきた。同じような話が,多くの海の生き物やそれを食べる動物たちに起きているのです。
「水の惑星」とも呼ばれる地球。そこに暮らすわたしたちは,きれいな海と海の生き物たちを守っていかなくてはなりません。
※2 出典:世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)2016年発表 ナショナルジオグラフィック記事(孫引き)
わたしたちにできること
いつもの食卓にのぼるおいしい魚。その魚がどのように獲られたものか,知っていますか?
「海のエコラベル」とも呼ばれてもののひとつに,「MSC認証マーク」があります。これは,いつまでも魚を食べ続けることができるように,海の自然や資源を守りながら獲られた水産物であることを示すマーク。このようなエコラベルのついた魚を買うことも,海を守ることにつながるのです。
普段からプラスチックゴミをなるべく出さないように,マイバックやマイボトルを持ち歩く,ペットボトルはリサイクルに出す,などの小さな心がけも青い海を守ってくれます。
原稿作成:日経BP社/東京書籍
協力:一般社団法人SDGs市民ネットワーク