- 安全で,災害に強いまちや人々の住む場所をつくる
- 災害などがあっても早く回復できる,持続可能なまちづくり
- EduTown SDGs
- 17の目標
- 11.住み続けられるまちづくり
社会の中心となる都市の暮らし
大勢の人が住み,たくさんの住居,商業施設,会社や公共施設が集まる都市。経済や文化の中心であり,学校,交通や金融などの生活に欠かせない,さまざまな基盤がそろっています。
現在,都市に暮らす人は,世界の人口の半分以上の55%ですが,今後,ますます都市に住む人が増えると考えられています。2050年には68%,世界の人口の3分2が都市に住むと予想されています。※1それだけ大勢の人が快適に暮らせるよう,「住み続けられるまちづくり」を目指すことが大切です。
※1 出典:国連経済社会局 「世界都市化展望」2018年発表
読み解くヒント
持続可能なまちづくりのために
便利で快適な都市の暮らし。一方で,人口が集中することで,たくさんの問題も起きています。
住宅が不足して住居費が高くなる,古くなって危険が増した建物,車の排気ガスで空気が汚れ,交通渋滞も発生。大量のゴミをどうするかという問題もあります。多くの大都市には,貧しい人たちが暮らす「スラム」があり,犯罪が生まれる原因の一つとなっています。
多くの人や建物が集まるだけに,自然災害にも強いまちづくりも必要です。災害があっても,被害を小さくおさえて早く復旧できる。それがこれから求められる都市の条件です。
このように都市には多くの問題がありますが,それを解決する計画的なまちづくりが大切になってきます。
新しい都市のかたち「SDGs未来都市」
2018年,日本の政府は29の自治体を「SDGs未来都市」に選びました。
富山県富山市が取り組むのは「コンパクトシティ」です。日本の多くの地方都市では,人口が減り高齢化が進んでいることが深刻な問題となっています。まちの重要な機能を中心部に集め,路面電車やバスなどの公共交通を充実させることで,車の運転が難しい高齢者も簡単に移動ができるようになります。人の行き来が増えることで,活気にあふれたまちづくりが実現できます。
北海道下川町では,豊かな森林を活用したまちづくりをしています。地元の豊かな森林資源を活かした産業を生み出し,森林というバイオマスエネルギーでまちが使う熱エネルギーをまかなう。住む人の半分以上が65歳以上の限界集落では,高齢者が集まって暮らす長屋風の住居をつくる。そんな持続可能な新しいまちづくりに挑戦しています。
わたしたちにできること
住みやすい都市とは,どんなまちでしょうか? 安全性,医療の充実,文化・環境,教育,インフラ,自然環境など,住みやすさの基準はいろいろあります。 英国「MONOCLE(モノクル)」誌が発表した「世界で最も住みやすい都市ベスト25」2017年版では,東京が3年連続1位に。12位に京都,14位に福岡が選ばれています。こういったまちの魅力はどこにあるのか考えてみると,これからもずっと住み続けたいまちのヒントが見つかるかもしれません。
自分の住んでいるまちについても,その魅力やどうなったらもっと住みやすいか,ぜひ考えてみましょう。
原稿作成:日経BP社/東京書籍
協力:一般社団法人SDGs市民ネットワーク