- 持続可能な開発のために,みんなが参加できる平和な社会をつくる
- 公正な法律にもとづいた暮らしをみんなができる
- 地域・国・世界といったあらゆるレベルで公正な司法制度を利用できる
- EduTown SDGs
- 17の目標
- 16.平和で公正な社会
争いのない世界を目指して
世界には,今,この瞬間もどこかで紛争や戦争などの争いごとが起きています。紛争のある国や地域で暮らす子どもたちは約2億5000万人。※1たくさんの人が争いごとや暴力,迫害で命をうばわれたり,家族を失うなどのつらく悲しい思いをしています。家や財産をなくしたり,住む場所を追われる人も少なくありません。
あらゆる争いごとをなくして,平和を実現すること。そのためにも,法律などの公正な制度を誰もが利用できることが大切になってきます。
※1 出典:ユニセフ connect
読み解くヒント
住む場所を追われた難民
紛争などで住む場所を追われた人たちが暮らす難民キャンプ。世界の難民の数は6850万人。2秒に1人が移動しなければいけない状況にあります。※2
2011年から内戦が続くシリアでは,多くの人が難民として国外へ避難しています。同じ中東のヨルダンには大きな難民キャンプがあり,難民となった大勢のシリア人が暮らしています。シリアのほかにも南スーダン,シリア,アフガニスタン,ソマリアから,紛争のせいで難民として100万人以上が国外へ。その多くが弱い立場の女性や子どもたちです。
難民が集まって暮らす場所が,難民キャンプです。その規模や条件はさまざまですが,多くが国際的な支援団体が手助けをしています。安全を確保し,住む場所や水,食べものなど生活に必要なものを届けます。病院や学校だけでなく,将来,自分で生活できるための職業訓練などを行うこともありますが,そのような環境はキャンプによっても大きく違います。
※2 出典:2018年UNHCR発表
生まれても登録されないままの子どもたち
日本では,子どもが生まれると,自治体に出生届を出して,戸籍に登録されます。それによって日本人という国籍を持ち,学校や病院に通ったり,必要な社会の公的サービスを受けることができるようになるのです。
このように,赤ちゃんが生まれたら「出生登録」をすることは,子どもの人権として世界で認めてられている権利です。登録されることで,さまざまな権利を持ち,健康で幸せに成長するためのサービスを受けられます。
しかし,現在,途上国の出生登録は半分程度しかありません。※3特に農村などでは,その傾向が強くあります。出生登録をしない理由としては,届ける場所が家から遠い,出生届が必要だと親が知らなかった,などがあります。出生登録の重要性をより多くの人たちに伝えていくことが,子どもの人権を守ることにつながります。
※3 出典:ユニセフ
わたしたちにできること
世界の平和のためには,まずは,「どんなことが世界で今,起きているのか」を知ることがとても大切です。テレビやニュースで見かけたら調べてみたり,お父さんやお母さん,学校の友だちや先生と話してみるのもよいでしょう。関係するようなイベントや募金に参加することも,遠い日本からできることのひとつです。
また公正な社会をつくっていくためには,わたしたちが積極的に政治にかかわっていくことも大切です。日本では18歳から選挙権があるので,ぜひ選挙に参加して,自分の意見を政治に届けるようにしましょう。
原稿作成:日経BP社/東京書籍
協力:一般社団法人SDGs市民ネットワーク