環境教育について
先生方の声
新学習指導要領には,各教科等で育む3つの資質・能力が示されています。この資質・能力は教科等で共通したものですから,教科等横断的な視点で教育課程の編成を行い易くなったと思います。校長としては,カリキュラム・マネジメントを働かせた教育課程を編成する上で,本資料を活用して教科間の関係性や学年間のつながりを教員に示したり,国連持続可能な開発目標SDGsのゴールを外側に配置したり,学校独自の取り組みを書き込むなどすることで,教員の環境教育への理解を促し,より実践的な教育課程編成につながることを期待しています。
このような教育課程全体を俯瞰するような資料は,持続可能な開発のための教育ESDや主体的・対話的で深い学びの実践に有効であり,思考力・判断力・表現力や言語能力を含めた将来に生かされる資質・能力の育成に欠かせないと思います。
また,SDGsを児童生徒に示すことは,学校で取り組んでいる諸活動との関わりに気付き,活動を価値付けて活動意欲が向上したり,大人になってからも持続可能な社会に関わるイメージをもつことができたりすることにつながると期待しています。
(小学校校長)
SDGs を目標として,環境教育に関する要素を授業に組み込んで,実践をしていくとなると,自らの担当教科(社会科)だけでは手が足りないという現実に直面します。
例えば「資源・エネルギー」を考える上で,日本にとって持続可能でより良い発電について考える授業を実践したことがありますが,生徒に提供すべき情報の精査を行うと,日本の気候風土やエネルギー源などといった地理的な情報だけでは十分ではないことに気付きました。発電効率や,環境に与える影響,発電コストなどの問題が出てきます。その辺りの資料も苦労してかき集めつつ授業に臨むと,生徒から「理科でも勉強しましたよ」と教えられました。実際に理科の資料集には詳細な発電方法別の資料も掲載されているし,授業でも触れられています。「事前にこの情報を知っていれば,お互いにより効果的な授業ができたのではないか…」と悔やんだものです。
この「図」を見れば,関係する教科等や内容が一目瞭然です。もちろんこの表が全てではありませんが,見通しをつけて連携できそうな教科の担当教員と的を絞った短時間での情報交換が可能です。ただでさえ多忙で自分の担当教科の授業準備も十分にできない教員もいる現状において,この「図」の活用は他教科と最小労力で最大効果を得ることができる可能性を秘めていると思います。
また,小中連携のベースにもなりうるものと言え,まさに,今日必要とされている教育に大きな効果が期待できるものと言えます。早速活用し,学校中に広めていくつもりです。
(中学校社会科教諭)
環境教育は難しくて自分から遠い存在のものだと思い込んでいましたが,この「図」を見たら,今自分がやっていることがまさに環境教育だということが分かりました。特別活動や家庭科などの横と縦の繋がり,そしてそれが世界的な取組みである「SDGs」というゴールに繋がっているということが分かり,より多面的・多角的な見方で授業や単元のカリキュラムを考え,授業改善することができると思いました。
例えば,生活科「うごくおもちゃ作り」では,普段捨てている物でも,新しい遊びを作りだす資源になることを意識して自分で材料集めから行う。そして自分で作りだしたものを責任をもって扱う。
また,「町たんけん」では,普段気付かない町のよさ,そこで働く人や施設のよさに気付くだけではなく,その町にずっと住み続けたいという視点をもつことでより町への愛着をもち,地域へ発信したい思いや切実感が膨らむなど。これまでやってきた実践に,プラス新たな視点―「持続させたい大切にしていきたい」というエッセンスが加わるという感じです。
そして,特別活動の学校行事(勤労生産・奉仕的行事)や道徳も環境教育に関連していることも新たな気付きでした。家庭科もすごく密接していて,特に低学年の児童にとっては,身近な生活レベルで環境教育をさりげなく取り入れていくことが第一歩だと。
今回の作業で,私にとって環境教育が身近に感じられるものに変わりました。
(小学校教諭)