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つながる通信じゅつで未来をつくる

かぶしき会社NTTドコモ

9.産業と技術革新の基盤をつくろう

※本記事や動画に掲載されている内容はすべて取材時点(2020年)のものです。


わたしたちは,スマートフォンやけいたい電話を使って,家族や友だちと電話やメール,SNSをしたり,インターネットでニュースや動画を楽しんだりしていますが,ある日,とつぜん,こうしたやり取りが全くできなくなったらどうなるでしょうか?

音声や写真,動画などのじょうほうをやり取りするしくみを「つうしん」と言いますが,その通信をささえるしくみをつくっているのが株式会社NTTドコモです。

ドコモのほかぞのさんに,わたしたちが安心して使える通信のしくみと,その未来について聞いてみました。

株式会社NTTドコモ 5Gイノベーションすいしんしつ 5G無線技術研究グループ ほかぞのゆうさん

つながることがあたりまえに

どんな場所でもつながることがあたりまえのスマートフォンやけいたい電話ですが,それをささえるために,ドコモはさまざまな取り組みをしています。

スマートフォンや携帯電話は「電波」とばれるものを送ったり受け取ったりすることで,音声やじょうほうをやり取りしています。そして,この電波をおくとどけるのに大切な働きをしているのがきょく(アンテナ)です。
ですから,スマートフォンや携帯電話がいつでもどんな場所でもつながるためには,基地局をてきせつな場所につくり,それを管理していくことが欠かせません。(外園さん)

基地局が電波を受け取り,とどけることでスマートフォンや携帯電話がつながっている。

ドコモでは電波を送受信する基地局を全国に20万局以上もせっ。そして,すべての基地局を,東京と大阪にある2つのオペレーションセンターで,24時間・365日管理し,せいじょうに動いているかをチェックしています。

もしどこかの基地局で不具合があった場合は,全国に2000人いるスタッフがすぐにしょうたいおうをし,ふっきゅうにあたります。

基地局にじょうが無いかをモニターでチェックしている。

「つながる」ための取り組みは,基地局をつくることだけではありません。

たとえば,花火大会やスポーツイベントなど,同じ場所にたくさんの人が集まってスマートフォンを使おうとすると,たくさんの電波がってこんざつし,つながりにくくなります。そういう時は,基地局からの電波を調整するなどして「かいてきに」つながるようにたいさくをしています。(外園さん)

このほかにも,登山中やフェリーや船でのどう中など,毎日の生活で使うことがそれほど多くないような山や海でも,通信がつながるように,特別な基地局を建てる取り組みもしています。

いざという時でも「つながる安心」

「もしも」の時でも通信がつながることが,安心して暮らせるためには欠かせません。

いつでも,どんな場所でもつながること。それは大きなさいがいがあった時でも同じことです。

災害があった時,スマートフォンやけいたい電話は,えんきゅうじょに関する正しいじょうほうを知るために欠かせないだけでなく,さいして不安な気持ちの人たちが,大切な家族や仲間とれんらくを取り合うためにも欠かせない,命を守るために必要なものです。(外園さん)

2011年に発生した東日本だいしんさいでは,だいていでんが起こり,東北地方にあるドコモのきょくの4わりが使えなくなりました。その反省から,げんざいは,災害がおきても通信ルートをふくすうじゅんするなどのたいさくをしています。

基地局にはバッテリー(ちくでん)をそなえて,停電がおきても電波を送れるようにしてあります。また,自治体の役場など災害時のきょてんとなる場所には,えいせい電話をして,基地局から電波がとどかなくても通信ができるようにしています。(外園さん)

ドコモのどう基地局車。通信がつながらない,つながりにくいいきちょくせつ移動してりんの基地局に。

また,じっさいに災害が起こってしまった地域には,移動基地局車を出動させたり,ていでんしてしまった基地局に電気を送る移動でんげんしゃを出動させたり,すぐに通信がふっきゅうできるたいせいをつくっています。

災害時に,使えなくなった通信を復旧してもう一度つながるようにすることはとても大変な作業です。しかし,被災したみなさんが安心してスマートフォンが使えるようになり「ありがとう」という言葉をかけていただくと,本当にはげみになりますし,改めて,通信は命を守る「ライフライン」としてのやくわりになっているのだと実感します。(外園さん)

ドコモが提供する充電器を利用してスマートフォンや携帯電話の充電をする人たち。

台風やしん,集中ごうしゃ災害など,わたしたちが暮らす日本では,自然がもたらす災害への備えは欠かせません。
いざという時でもつながる通信のしくみがあることは,社会の安心や安全,命を守ることにもつながります。

未来のあたりまえをつくる「5G(ファイブ・ジー)」

※「G」はGeneration=世代のこと。

このように,わたしたちのらしをささえているスマートフォンやけいたい電話の通信ですが,技術かくしんにより,どんどんと便利に進化しています。

携帯電話がたんじょうした40年前,その中心は「声」でした。それから,文字や写真が送れるようになり,4Gでは動画のやり取りがかいてきにできるようになりました。
そして,2020年からはより高速にたくさんのデータをやり取りできる「5G」のサービスが始まりました。(外園さん)

通信技術の進化で大量のじょうほうしゅんにやり取りできるように。

4Gから5Gへの変化は,交通でたとえると,道路の車線がえて,スピードが車から飛行機に変わったようなものといえます。

新しい通信じゅつである「5G」で,わたしたちのらしはどのように変わっていくのでしょうか。

5Gは,遠くはなれた場所に,一度のたくさんのじょうほうおくれることなくおくとどけることができます。

こうしたとくちょうを使えば,せんめいぞうを,リアルタイムで遠く離れたところに送ることができるので,病院が遠くて通えない人たちも,離れたところにある病院の先生の最先端のりょうを受けることができるようになります。

また,げんにいなくても別の場所からショベルカーをそうして,一人のそうじゅうしゃが,場所をどうすることなく,いくつものけんせつ現場で作業をすることができるようになり,働き手不足のかいしょうにつながるかもしれません。(外園さん)

ほかにも,サッカーなどのスポーツを好きな角度で見たり,音楽のライブでは最前列にいるかのような体験ができたり,その場にいなくても,その場にいるのと同じようなふんで手元のスマートフォンなどで楽しめるようになります。

また,5Gの世界では,人と人だけではなく,人とモノももっとつながりやすくなるので,スマートフォンと家電がつながって,きと同時にカーテンが自動的に開いたり,家に帰る前にエアコンが操作されたりするようになります。
さらに,より多くのモノがインターネットにつながるようになって,たとえば,クルマとモノがインターネットでつながる自動運転車など,新しいサービスや技術も5Gによって進化し身近になっていくと考えられています。(外園さん)

安心と新しいじゅつへのちょうせんで,社会にこうけん

ドコモは,みなさんのらしに欠かせない通信を,いつでも,どんな場所でも使えるようにすることで,「安心・安全,ゆたかで便利な社会」をつくっています。

そして,未来に向けた挑戦にも積極的に取り組んでいます。
通信ネットワークに関わる会社として,生活に関わるあらゆるモノとモノ,人とモノを「つなぐ」ことで,社会にあるさまざまな課題をかいけつし,より良い社会をつくっていきたいと考えています。

そのために,いろいろなぎょうや大学と協力し,通信とほかの技術を組み合わせ,新しい技術かくしんに取り組んでいます。(外園さん)

わたしたちの暮らしを守っている通信は,新しい未来をつくる技術でもあります。
わたしたちのより良い社会をつくっていくために,通信技術を使ってどのようなことができるのか。ぜひ,みんなで考えてみましょう。


原稿作成:株式会社 日経BP


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